【知っておきたい不動産知識】「資金計画を立て住宅ローンを選ぶ~資金計画の注意点 Vol.19」

By miki, 2021年6月22日

返済期間が長期に亘るため、ローンの始まった頃と20年後、30年後では家庭環境も異なってきます。
将来を見据えて資金計画を行うことが重要です。

1.返済期間の設定を考える

ほとんどの住宅ローンの最長返済期間は35年です。完済時の年齢を80歳前後に設定している金融機関が多いため、40代でも35年返済で借りることは不可能ではありません。
ただし、45歳の人が35年返済を選択すると、完済時には80歳となり、定年退職後も住宅ローンの返済が続くことになります。
このような場合、退職後の収入の変化も考慮して資金計画を立てることが大切です。
将来の返済リスクを考えると、毎月の家計に余裕があるのなら返済期間はできるだけ短く、あまり余裕がなく長期返済を選ぶ場合でも、途中で繰り上げ返済をすることで返済期間を短くするようにしたいものです。
返済期間は、ほとんどのローンで1年単位の設定ができますので、詳細にシミュレーションをして、適切な返済期間を設定しましょう。

2.ボーナス返済を上手に利用する

ボーナスは、勤務先の業績等によって支給額が変わることも多いため、ボーナス返済に頼りすぎると、返済が滞ってしまう可能性があります。
もちろん、ボーナス返済を併用することで、返済期間を短縮することも可能です。
教育費や旅行、万が一のための貯金など、ボーナスの使い道を検討して、まだ余裕があるようなら一部を住宅ローンの返済に充てるのも、上手なボーナス活用法です。

3.返済開始後も返済計画の見直しを

完済までの間には、経済情勢や家計の事情が変わることでローン返済が負担になったり、逆に余裕ができてもっと返済額を増やせる状況になったりします。
金利の動きや家計の状況に合わせて、定期的に返済計画を見直すようにしましょう。

①固定期間終了時などの見直し
固定期間選択型で借りた場合は、固定期間が終了するたびに、変動金利型にするか再び固定期間選択型にするか、固定期間選択型であれば固定期間を何年にするかなどを検討することになります。
したがって、その時点での家計の状況や将来の見込みを踏まえて選ぶようにしましょう。
なお、変動金利型の場合には随時、金利のタイプを選択して設定することができます。

②繰り上げ返済
返済期間を長めにとって、毎月の返済負担を軽めに設定している場合は、収入の状況に合わせて返済期間の短縮も考えておくとよいでしょう。
返済期間を短縮する代表的な方法は繰り上げ返済です。
期間短縮型を選べば毎月の返済額を変えることなく完済時期を早めることができます。
また、返済額軽減型の繰り上げ返済では、借入期間は変更せずに毎月の返済額を減らすことができます。

③その他の条件変更
毎月の返済額を増やして返済期間を短縮する「条件変更」も選択肢として考えられます。
ボーナスの支給が安定していて、ボーナス返済額に余裕がある場合は、ボーナス返済額を増やす条件変更という方法もあります。
*繰り上げ返済以外の条件変更の場合は、返済に無理がないかなど、金融機関によって審査がある場合があります。